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ノート

ブランドのバーチャル試着がそのブランドの商品しか見せない理由

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ブランドのバーチャル試着はひとつのカタログの上に成り立つ販売ツールであり、だからこそ結局はいつも自社の商品ラインへと連れ戻す仕組みになっている。

ブランドのバーチャル試着がそのブランドの商品しか見せないのは、それが独立したスタイリストではなく、ひとつのカタログの上に載った販売機能だからだ。自社が扱っていない商品を勧めることはできず、二つのブランドをまたいでひとつのルックを組み立てることもできない。その上に作られたシェード診断も、結局は同じ限られた範囲の中に答えを戻すしかない。

このツールが本来何のためのものか

これは隠されていることではなく、隠す必要もないことだ。コスメブランドが自社の商品ページに試着ウィジェットを置くのは、その上にある商品写真にお金をかけるのと同じ理由からで、そのページに並ぶ商品を売るためだ。このウィジェットはブランドが発注し、ブランドの仕様どおりに作られ、中身はまるごとそのブランド自身のラインで構成されている。見せるべきものだけを見せているという点で、このツールは毎回きちんと仕事をこなしている。

これはまず最初にはっきり言っておく価値がある。そう理解すれば、この先の話は不満ではなく、ただの観察になる。このツールは中立であることに失敗しているのではない。そもそも中立であることなど求められていない。

ブランドの試着にできることとできないこと

できることできないこと
そのブランドの現行ラインから実在する商品を見せる自社カタログの外にある商品を勧める。それがより良い商品であっても
扱っている中で一番近いシェードや商品に合わせる扱っている中に本当に近いものが一つもないと伝える
そのブランド自身のラインだけで、あらかじめ用意されたルックを組み立てる二つの異なるブランドを組み合わせてルックを作る
画面上の商品を、そのままカゴへのリンクにつなげる自社商品をライバル商品と正直に比較する
ブラウザやアプリの中で無料かつ即座に動く「これは当てはまりません」と答える

それぞれの列の一番下の行を並べて読んでほしい。ブランドの試着は何かを見つけてくれる。だが、その見つけたものが実は違うと伝えることはできない。

答えが本当に別の場所にあるなら、なぜそちらを指し示せないのか

構造上、指し示せない。プレステージブランドのカウンターにあるシェード診断には、「うちで扱っているどの商品より、ドラッグストアの2列先にあるチークのほうがあなたのアンダートーンに近い」という結論に行き着く道が最初から存在しない。それを勧めることは、自社が費用を出して作ったページの上で、別の会社への売上を勧めることになってしまうからだ。これは逆方向でも同じで、ドラッグストアブランドのツールが、自社で扱っていないプレステージ商品を指し示すこともまずない。どちらの失敗も、二つの商品を比較する技術がないという話ではない。誰がその比較を発注したかという話だ。

「合わない」と言えないシェード診断

ブランドのシェード診断は、何も合っていないときでもなぜ必ず答えを返すのか

ここは見過ごされがちな部分だ。返ってきた答えは、一見うまくいったように見えるからだ。固定された商品ラインの上に組まれたシェードマッチングツールは、そのラインにある商品の数だけ答えを持っていて、それ以上は一つも持っていない。Fenty Beauty自身の商品ページによれば、Pro Filt'r Soft Matte Longwear Foundationは50色展開だという(2026年8月22日確認)。このラインの上に組まれた診断には50通りの出力しかない。51通り目は存在せず、「この50色のどれも合っていません」という出力も存在しない。

これが設計上の抜け穴だ。どんな大きさのカタログであっても、最も近い商品を選ぶタイプのツールには常に「一番近いもの」が存在する。答えを拒否するしきい値というものがなく、「あなたに合うシェードは扱っていません」という画面は、訪問をそこで終わらせてしまい、カゴへとは向かわせないからだ。だから診断は、50色の中の最も近い1色を、あるいはもっと小さなラインなら12色の中の1色を、それが本当にわずかな差なのか、範囲の外に大きく外れているのかにかかわらず、同じ確信度で返してくる。狭いラインの端にいる人には、シェード名とパーセンテージが提示されるだけで、ツールが自信を使い果たす前に選択肢のほうを使い果たしていたことは画面のどこにも書かれない。

ひとつの技術、六つのブランド、決して交わらない六つのカタログ

この境界線を一番わかりやすく見る方法は、同じ土台となる技術が、六つの違う棚の周りにどう組み込まれているかを見ることだ。Perfect Corpはブランドごとに個別の技術を作るのではなく、自社の試着技術を美容ブランドにライセンス提供しており、自社のビジネスページにその導入先のブランド名を掲載している。2026年8月22日に確認したところ、perfectcorp.com/businessにはKOSÉ AmericaのDecorté、Benefit Cosmetics、M·A·C Cosmetics、Aveda、RegimenPro、Clinique がこの技術を使う企業として挙げられている。

六つすべてで変わらないもの導入先ごとに変わるもの
顔のトラッキングその顔にのせることを許された商品
シェードマッチングのロジック照合対象となるシェードのリスト
それを作った会社ページに載っている会社の名前

トラッキングのコードもマッチングのロジックも、六回とも同じものだ。だが、それぞれの導入先が何を見せることを許されているかはまったく違う。Benefitの試着がCliniqueのコンシーラーを表示することは決してなく、Cliniqueの試着がBenefitのブラッシュを表示することもない。同じ会社が両方を作っており、技術的には二つのカタログを一つの推薦にまとめることもできる。だがそうする理由がない。それぞれの導入は、隣の棚ではなく自分が乗っている棚を売るために存在しているからだ。

一つのブランドではなく小売店で試せば、このカタログの問題は解決するのか

境界を広げはするが、なくすわけではない。複数ブランドを扱う小売店の試着なら、その小売店が扱うブランドの間を行き来できるので、一つの会社の12色に閉じ込められるという一番狭い形の問題は避けられる。それでも一つの倉庫の中に閉じ込められていることに変わりはない。ある小売店のツールが、競合する別の小売店が扱っていて自分は扱っていない商品を勧めることはない。理由は単一ブランドのツールがブランドをまたげないのと同じ、商業上の理由からだ。棚は大きくなった。だがその推薦が必ずどこかの棚に着地しなければならないというルール自体は変わっていない。

公平に見て、意地悪な話ではない

ブランドの試着は結局のところ悪いツールなのか

そうではない。そう言い切るほうが楽ではあっても、正直ではない。すでに買うつもりでいるブランドの中で、二つのシェードか二つの仕上がりのどちらかを選ぶという、このツールが本来担っている仕事に関しては、今も最速で最も手軽な答え方だ。無料で、即座に使え、実在の商品と、実際の価格と、ワンタップで届くカゴに結びついている。それでいてこのツールが、そもそも頼まれてもいない問題を解けないからといって、この価値が下がるわけではない。独立したスタイリストを期待して使うことのほうが誤りであって、ツールそのものが悪いわけではない。

Looksmithが違う立ち位置にいる点

LooksmithはMirable Labs, Inc.によるiOSアプリで、近くiOSに登場する予定だが、まだリリースされていない。Mirable Labsはコスメを販売していないので、Looksmithのルックはどこか一社の棚を動かすために作られてはいない。一度Likenessを保存すれば、それは再利用できる自分の顔となる自撮りのセットで、そこから三つの方法のいずれかでルックにたどり着ける。Style Meは一度に複数のルックをあなたにのせて見せ、Create Lookは言葉で説明したルックを作り、Mirror a Lookはお手本にした写真からメイクを再現する。Looksmithは完成したルックを12の部位にわたってあなた自身の写真にレンダリングし、使った製品を横に並べて示す。そのリストは、ブランド自身の試着のようにひとつの固定されたカタログから引かれたものではない。

Looksmithが製品の代替案を指す独自の言葉はSimilar Matchで、決してdupe(コピー品)とは呼ばない。この言葉選びには実際の設計上の帰結が伴う。Looksmithはどこか一社の棚を守るために作られていないので、Similar Matchはその棚の中にとどまる必要がない。ここは述べておく価値のある設計上の違いであり、それはあくまでツールが何のために作られたかの違いであって、Looksmithの推薦が他社より正確だという主張ではない。Similar Matchが元の商品にどれだけ近いかについて、Looksmithはここでもどこでも精度の数値を測定・公表していない。

Looksmithはオンボーディング時に最初の6ルックを無料で提供し、それ以降はパックで購入するクレジット制で動き、サブスクリプションはない。価格はローンチ時に設定され、Looksmithはまだローンチしていないので、ここに書ける金額はまだない。

Looksmithもこの問題を解決できていない部分はどこか

Looksmithはシェードマッチングの診断を行わず、あなたの写真からシェードコードやアンダートーンのラベルを返すこともない。Looksmithから返ってくるのはレンダリングされたルックであり、肌の測定結果ではない。そしてこのページで扱ってきた他のすべてと同じ正直な限界をLooksmithも抱えている。もっともらしい絵ではあっても、特定のチューブが寸分違わぬピクセルを再現するという約束ではない。

まとめ

ブランドの試着は、不注意でより良い答えを隠しているわけではない。構造上、より良い答えを返せない。このツールはひとつの棚を売るために作られていて、棚には必ず端があるからだ。覚えておく価値があるのは、このツールが自社商品びいきだということではない。自社商品のどれも本当は合っていないとき、それを伝える手段がそもそも存在せず、それでも同じ確信度で一番近いものを差し出してくる、という点だ。

Looksmith はメイクを一式まるごとあなたの顔にのせ、使った製品を一覧で示します。iOS、近日公開。

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