AIのトライオンで顔は変わるのか
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美容カメラが顔に加える五つの加工と、写真一枚で見抜ける四点テスト、そしてLooksmithが触れないものの一覧をまとめる。
AIによるトライオンには、顔を変えてしまうものと、変えないように作られているものがある。Looksmithは送られた写真にメイクだけを描き込み、顔の骨格、まぶたの構造、年齢、ポーズ、表情といった土台はすべてそのまま固定する。ほかの美容アプリの中には逆のことをするものもあり、顎を細くし、目を大きくしておきながら、それを「フィルター」と呼ぶ。この違いは確認可能で、写真一枚あれば分かる。
フィルターとして売られている五つの加工
美容カメラとして売られているものにはこの五つの加工が入っていないか確認する価値がある。どれもメイクではない。人物そのものへの加工であり、だからこそトライオンを試したあとに、始める前より気分が沈むことがある。
これは隠されてもいない。Perfect Corp自身のYouCam Makeupのページ(2026年8月22日確認)には、目や眉、鼻、唇を対象にしたAIによる顔の作り直し、顔とフェイスラインを細くし鼻の形を変えるAI Face Shaper、しわやシミを除去する肌のスムージング、老化の見た目を軽減するAI Faceliftが並んでいる。
| 加工 | 写真に対して何をするか | 後から気づくこと | Looksmith |
|---|---|---|---|
| フェイススリミング | 顎と頬の輪郭を内側に押し込む | 実際より顎が細くなり、顎の背後にある背景の直線が歪んで見える | 固定 |
| 肌のスムージング | 肌のきめを平均化して消す | 毛穴や小じわが消え、拡大するとプラスチックのように見える | 固定 |
| 目の拡大 | 目の開きと虹彩を大きく拡大する | ほかの写真と比べて鼻に対して目が大きく見える | 固定 |
| 鼻を細くする | 鼻筋と小鼻を圧縮する | 鼻がカメラロールの他の写真と一致しなくなる | 固定 |
| 明るくする | 明度を上げ、肌から温かみを抜く | 実際より色白になり、顎と首の境目にまず表れる | 固定。ただし製品の仕上がりを通じた肌トーンの一段階分の変化だけは例外 |
これをさらに厄介にしている点が二つある。一つ目は、アプリがこの五つの加工をカメラモードとして提示することで、実際には加工なのに、画面上にスライダーが出ない箇所では何をどれだけ変えたのか知りようがない。二つ目は、スライダーが常にゼロから始まるとは限らないことで、最初に撮った一枚の写真がすでに何も操作していないうちからレタッチされている場合がある。これが自分の顔だと決める前に、設定画面を開いてほしい。
美容アプリは実際に顔の何を変えているのか
深刻さの順に、形、きめ、色みだ。形はいちばん名付けにくく、いちばん許しがたいものになりやすい。細くなった顎は加工には見えず、少しおかしな自分に見えてしまい、頭はソフトウェアではなく顔そのものに理由を探してしまう。
Looksmithが固定しているもの
これは安心してくださいという一段落ではなく、Looksmithのプロンプトそのものに書き込まれているので、一項目ずつ列挙できる。Looksmithが変えないものは次のとおりだ。
- 顔の骨格全般。 輪郭の細工、頬骨の引き上げ、鼻の形変更、唇の拡大、顎の加工は一切行わない。
- まぶたの構造。 一重は一重のままだ。これはLooksmithのパイプラインの中でもっとも優先度の高い規則になっている。
- 年齢。 Looksmithはあなたを若く見せることも老けて見せることもしない。
- ポーズ、頭の傾き、視線、表情、フレーミング。 Looksmithが返すのは、あなた自身の写真にレタッチを加えたものであり、あなたの説明から作られた新しい肖像ではない。
- 本人を特徴づけるしるし。 ひげ、ほくろ、目の下のほくろ、鼻ピアスは保存される。取り除くことも、新たに加えることもない。眼鏡はそのまま保存され、新たに加えられることもない。
- アクセサリー。 Looksmithはピアス、タトゥー、アクセサリー、フェイスペイントを加えない。
- 肌のきめ。 美肌フィルターのようなスムージングは行わない。
髪型は対象外だ。Looksmithは長さ、レイヤー、分け目、前髪、シルエットを固定するので、前髪を試したい人のためのツールではないし、そのふりもしない。
AIのトライオンで自分の一重は変わってしまうのか
変えてしまうアプリもある。分かりやすいのは形そのものを加工する方法で、もともとなかった二重線を描き込んでしまう。もっと分かりにくいのは配置のずれで、二重を前提に設計されたアイシャドウを一重のまぶたにそのまま当てはめると、目の形に沿わない帯として乗ってしまう。アプリが形を一切変えていなくても、結果としては不自然に見える。
Looksmithがまぶたの構造をもっとも優先度の高い規則としているのはそのためだ。一重はルックを作る過程で直すべきものではなく、Looksmithは写真の中の目に合わせて配置を決める。
Looksmithが意図的に変えているもの
ここまでの一覧は境界線であって、Looksmithが写真に何もしないという意味ではない。何も変えないトライオンは、ただの写真ビューアーになってしまう。
| Looksmithが変えるもの | どこまで変えるか |
|---|---|
| 十二の部位にわたるメイク。リップ、リップライナー、アイシャドウ、アイライナー、チーク、ブロンザー、コントゥアリング、ハイライター、コンプレクション、眉、マスカラ、まつ毛 | 顔料、仕上がり、カバー力、配置 |
| 眉の形 | ペンシル、パウダー、コンシーラー、カミソリでできる範囲まで |
| 虹彩の色 | カラーコンタクトの効果として、現実的な人間の色域の範囲で |
| 髪の色 | 色と染料の入り方のみ。長さ、分け目、カットには触れない |
| 肌のトーン | 製品の仕上がりを通じて最大一段階まで |
| 描き込まれるコスメティックディテール | そばかすなど、ペンシルで描くように描かれるもの |
コントゥアリングについては正確に言っておく価値がある。コントゥアリングは光の当たり方を変えるので、それだけで顔が実際より細く見えることがある。
コンパクトの中のパウダーについても同じことが言える。違いは、Looksmithがあなたの顎を動かしているのではなく、写真の上に製品を描いているという点にある。頭の中でメイクを拭き取れば、その下にある輪郭はあなたが送った写真そのままだ。
どのアプリでも自分で試せるテスト
これはLooksmithについても含め、誰の言葉も鵜呑みにする必要はない。正面から、無表情で、ドア枠やタイル張りの壁、ブラインドのような直線のあるものの前に立って一枚撮る。そのアプリに一度通す。元の写真とアプリが返してきた写真の両方を保存し、同じサイズで並べて開く。
アプリが顔を変えたかどうかはどう見分けるか
二枚の画像を全画面で交互に見比べ、次の四点を確認する。
- 顎の幅。 顎のいちばん広い位置に指先を当てて切り替える。輪郭が指の下からずれるなら、アプリはあなたを細くしている。
- 目の間隔。 目の内側の端の間隔と、鼻筋の幅を見比べる。この比率は本来それ自体では変わらない。動いていたら、目が拡大されたか、鼻筋が圧縮されたかのどちらかだ。
- まぶたの折り目。 元の写真になかった折り目や、上に移動した折り目を探す。まぶたよりメイクのほうに目が行きがちなので、見落としやすい。
- 背景の直線。 フェイススリミングは輪郭の周りのピクセルを歪ませるので、顎の背後にあるドア枠は湾曲する。顎を内側に引き込む歪みは、たいてい背景も一緒に引きずるので、いちばん隠しにくい兆候だ。
二つ目の項目は測定であり、それがこのテストを実行する意味だ。「なんとなくおかしい」は水掛け論になるが、「目の間隔が鼻に対して広がった」は水掛け論にならない。
Looksmithはまもなくiosに登場予定で、まだリリースされていないので、このテストは後日のためにとっておいてほしい。すでにスマートフォンに入っている美容アプリに対してなら、今日の午後にでも試せる。
この歪みはどこから来るのか
結局はモデルに何を求めるかに行き着く。「人物の美しいポートレートを作って」と指示されたモデルは、学習中にもっとも多く目にしたものへと寄っていき、その偏りは中立ではない。BianchiらはFAccT 2023の論文Easily accessible text-to-image generation amplifies demographic stereotypes at large scaleで、基本的な特徴を指定してプロンプトを出すだけで、白人性を理想として強化する画像が生成されることを示した。誰かが意図しなくても、これは起こりうる。
Looksmithが引き受けているのはもっと狭い仕事だ。Looksmithに一度Likeness(自分の顔として繰り返し使えるセルフィーのセット)を保存し、ルックを選ぶ。Looksmithはメイクを描き込んだ自分自身の写真を返し、使った製品を並べて一覧表示する。所要時間はおよそ一分だ。指示は「このメイクをこの顔にのせて、それ以外は触らない」というもので、はるかに小さな要求であり、はるかに確認しやすい。
約束は一文にすぎない。制約は写真を突き合わせて確かめられるものだ。
Looksmithは肌をスムージングするのか
しない。毛穴、きめ、小じわは送った写真のまま返ってくる。カバー力や仕上がりによって肌の見え方は変わるが、それはファンデーションやパウダーが実際にすることであり、Looksmithのパイプラインにスムージングの処理は含まれていない。
アップロードした写真はその後どうなるのか
何かをアップロードする前に確かめておくべき、まっとうな問いだ。Looksmithは写真を、書面での契約のもとで画像を生成する第三者のAIプロバイダーに送信し、これらのプロバイダーはその写真を、その画像を作って返す目的にしか使えない。Looksmithはあなたの写真や顔のデータ、作成したルックを使って自社のモデルを学習させることはなく、契約するプロバイダーにもそれを許可していない。写真は、Looksmithの生体情報保持ポリシーで定められた期間の範囲内で、アカウントに残しておく限り保持される。全文はプライバシーポリシーにあり、どのアプリにアップロードする前にも確認すべき一般的な問いについてはAIメイクアプリであなたのセルフィーはどうなるかにある。誰がこれを作り、費用はどうなるのか知りたい場合はLooksmithは信頼できるかにある。
まとめ
AIのトライオンは顔を変えることがある。変えるかどうかは技術そのものの性質ではなく、誰かが下した決定であり、顔を変えるアプリがそれを常に明言しているとは限らない。使っているツールに、絶対に触らないものの一覧を求め、それが出せないなら、写真のテストを自分で行い、自分でその一覧を作ってほしい。
何も告げずに顎を細くするツールは、あなたのルックを見せているのではない。誰か別の人がそのルックを着けている姿を見せているにすぎない。